ツインズ前田健太投手(32)が24日(日本時間25日)、敵地インディアンス戦に先発し、5回5安打1失点7奪三振と粘りの投球で、無傷の4勝目を挙げた。1回に先頭打者本塁打を許したものの、丁寧な投球で追加点を防いだ。WHIP0・71(1イニング当たりに許した安打、四球の走者数)、被打率1割4分7厘はいずれもリーグ1位。マエケンの快進撃は、止まりそうにない。

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前回登板の18日、9回無死まで無安打でも勝てなかった前田が、5回、83球で白星を手にした。「前回少し球数が多くなって、多少疲れは残る中、何とか粘りながら最少失点で抑えることができたと思います」。今季最多の115球から中5日。本調子には程遠かった。だが、両角に各球種を散らし、手首と指先の加減でタイミングをずらして決定打を許さなかった。

初回の先頭打者弾で、逆に気持ちが引き締まった。「切り替えて、後を抑えればチームが逆転してくれると」。交代が決まった直後の6回表、味方が2点を勝ち越し、勝利投手の権利を得た。前回の無念さを、同僚が晴らしてくれた。

快投を演じながら勝利を逃した翌日の19日、同点を許したクローザーのロジャースから、おわびのメッセージと高級日本米のギフトカードを受け取った。前田と言えば、コロナ禍で外出禁止の状況下、遠征先のホテルで自炊するほどの米好き。シーズン中はめったにアルコール類をたしなまない前田に対する、細やかな気遣いだった。「普通はそんなことしなくてもいいと思うし、打たれることはみんなある。それが野球。ロジャースの気持ちはすごくうれしかったし、いいチームメート。僕は彼を信頼しているだけ」。年俸約4億9000万円ながら、ロジャースは29歳の年下左腕。日本でもめったに見られないような、義理人情に厚い“浪花節”に感激した。そのロジャースが、この日は1点差を締めくくった。

60試合を折り返し、ツ軍は20勝10敗の貯金10。同僚から慕われ、首脳陣に信頼される前田は、早くも看板選手の1人になった。「僕自身、そういうことにやりがいを感じるタイプ。最後まで元気にいけるんじゃないかなと思ってます」。新天地でも、背番号「18」はエースナンバーとして認められてきた。