サイ・ヤング賞の有力候補に挙げられるカブスのダルビッシュ有投手(34)が、7回途中9安打4失点1四球9奪三振と踏ん張りきれず、今季3敗目(7勝)を喫した。

力尽きたわけではない。ただ、最後は踏みとどまれなかった。0-2と2点ビハインドの7回、先頭のゴンザレスに粘られた末、中堅越えの二塁打を浴びた。続く1番ケプラーの初球。142キロの内角膝元へのカットボールを右翼席へ運ばれ、交代を告げられた。「狙っていたのかなと…」。

失点したとはいえ、感覚が悪かったわけではない。「体も動いていたし、メンタル的にも良かった。立ち上がりも悪い感じはなかったです」。1回。3安打1四球で先制を許し、なお1死満塁とピンチが続いた。そこからポランコ、ガーバーを連続三振。3アウトを取るのに30球を費やした。続く2回にも1失点。6アウトを取った時点で球数は47球に達した。

それでも、3回以降はきっちりと立て直した。前日、久しぶりに再会したツインズ前田健太から聞いたチェンジアップの握りを早速実戦で使い、左打者を翻弄(ほんろう)した。3回は全9球ストライクで3者凡退。4~6回も危なげなく無失点に封じ、6回まで90球で2失点をキープした。7回を無事に投げ終えて、味方の援護を待つはずだったが、志半ばでマウンドを譲った。

今季最多の4失点で、開幕2戦目から続いたクオリティースタート(6回以上、自責3以内)は、9試合でストップ。依然として、勝利数(7勝=リーグ1位タイ)、奪三振数(88=同2位タイ)と上位をキープする一方で、防御率2・22(同7位)と、サイ・ヤング賞争いは微妙な状況となってきた。

公式戦登板は、残り1試合。「もっといい投球の仕方があると思うので、それを探せたらと思います」。その先のポストシーズンを見据え、今季最終登板への抱負を力強く口にした。