ツインズ前田健太投手(32)の飛躍の20年シーズンが終わった。ワイルドカードシリーズでアストロズに2連敗で敗退。「最初に負けてしまったというのはすごく悔しい気持ちですね」と肩を落とした一方で「すごくやりやすい環境で気持ちよくプレーさせてもらいましたし、また自信を取り戻すことができた1年だった」と胸を張った。

プライドを持ち、こだわり続けた先発の座を自力で勝ち取った。ツインズにトレード移籍する直前の1月末。ドジャースの一員として「(残りの契約は)4年あるけど、全て保証されているわけではないので。1年ずつ結果を残すことしか考えていない」と力強く語った。17年から3年連続でシーズン途中で中継ぎへ配置転換。先発枠を確保されている立場ではなかった。

移籍先のツ軍で先発として期待されたが、開幕では3番手だった。「環境が変わっても成長しようという気持ちを持ち続けることができた。それがいい結果につながったのかな」。対左打者の課題を克服し、確固たる地位を確立した。初のワイルドカードシリーズでは文句なしの開幕投手。力を証明し、はい上がった。

悲願のワールドシリーズ制覇はかなわなかった。「トレードで来て、すごく温かく迎えてもらった」と感謝の気持ちがある。「ワールドチャンピオンになれるように、その力になれるように、自分自身、もっと成長していきたい」。誓いを新たに、特別なシーズンを締めた。【斎藤庸裕】