第5シードのヤンキースが、両軍合わせてポストシーズン(PS)最多タイとなる19四球の乱戦を制して、第4シードのインディアンスに連勝。5日(日本時間6日)からの地区シリーズ(5試合制)で、宿敵レイズと対戦することになった。

今PS初先発となった田中将大投手(31)は、5回途中5安打6失点3四球3奪三振と崩れ、勝敗はつかなかった。

気まぐれな秋の悪天候にリズムを乱された。約50分遅れで始まった試合は、田中がマウンドに向かった1回裏、再び風雨が激しさを増した。田中によると「審判から新しいボールを受け取った時点でぬれている」ほどの状態で、正確に制球することは不可能に近かった。1死後、連続二塁打で1点を先制されたところで中断。33分後に再開されたが、細かい制球が定まらず、2死後に四球と連続長短打で3点を追加された。それでも、各球種に修正を加え、可能な限り踏ん張った。「これ以上、試合を壊してチームの勝つチャンスをつんでしまってはダメだと思いました」。2、3、4回は無安打無失点と立て直したことで、試合の流れが変わった。

第1戦で最強右腕ビーバーを攻略したヤンキース打線が、徐々に反撃を開始。2回にスタントンのソロで1点を返すと、4回にはウルシェラの満塁弾で逆転に成功。5回にも1点を追加した。

打順が3巡目となった5回、無死から二塁打と四球を与えたところで、田中は77球で交代。「相当厳しい状況でしたけど、抑えられなかったのは、自分の力が及ばなかったところ。交代はしょうがないと思います」。2番手グリーンが、同点の適時二塁打を浴び、試合は振り出しに戻った。

その後も両軍が点を取り合い、1点を追う9回、粘るヤンキースが2点を奪って逆転。最後はクローザーのチャプマンが締めくくった。

田中自身は不本意な内容でも、ヤンキースは連勝して今シリーズを突破。地区シリーズでは、同地区を制したレイズが待ち受ける。「今日は仲間に助けてもらった。次に進めるし、やり返したい。自分が相手を上回れるように、しっかりと調子を上げていきたいですね」。次シリーズの開催地サンディエゴは、温暖で天候も安定した土地。次回こそ、万全の状態で王者レイズを倒しにいく。