ア・リーグ地区シリーズの第1戦で、ヤンキースが15安打9得点でレイズに圧勝した。

ジャッジ、スタントンら役者そろい踏みで合計4本塁打。中でも攻守で光ったのが日系4世のカイル・ヒガシオカ捕手(30)だ。5回の同点弾を含む4打数2安打1打点をマーク。先発のコールを粘り強くリードし、レイズ打線を3点に抑えた。

カリフォルニア州南部のオレンジ群で生まれ、温暖な気候で育った。日系4世で母国語は英語。日系3世の父にも勧められ、数年前から日本語を習得中で、同僚の田中将大投手(31)や同投手の通訳に教えてもらうこともある。米メディアによれば、サッカー観戦や音楽が好きで、ギターを弾くことが趣味だという。

今季は9月からエース右腕コールの女房役に定着。シーズンでは16試合の出場で打率2割5分、4本塁打10打点だが、コールとバッテリーを組んだ4試合で15打数8安打、4本塁打、8打点と打ちまくっている。この日の地区シリーズ初戦でも同点ソロを放ち、「試合を振り出しに戻せて良かった」と喜んだ。

捕手としても窮地を救った。1点リードの5回2死満塁。1ストライクから内角への直球を要求したが、コールのボールは真ん中から外角へ鋭く曲がった。サイン違いのナックルカーブを、とっさの反応でキャッチ。「気付くのが遅かった」と苦笑いのヒガシオカに対し、コールは「素晴らしい捕球だった。全く違う展開の試合になっていたかもしれない」と感謝した。

ともにカリフォルニア州南部オレンジ群の出身で、息もピッタリだ。9回、ヒガシオカの第5打席は四球。試合後、コールは「彼は今日、四球を選んだんだ。それは、すごくレアなことだよ」と笑った。今季初の四球に、ヤ軍ベンチは大声を上げて盛り上がった。

シーズン中は2勝8敗と大きく負け越したレイズに対し、投打で圧倒した。派手な勝ち方となったが、9番捕手のヒガシオカが攻守で貢献。大事なシリーズ初戦で、流れを引き寄せる立役者となった。