【サンディエゴ(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】レイズが08年以来、12年ぶりにワールドシリーズ(WS)進出を決めた。アストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦、ランディ・アロザレーナ外野手(25)の先制2ランなどで序盤にリードを広げ、3投手の継投で逃げ切った。出番のなかった筒香嘉智外野手(28)は、今シリーズ2試合の出場で5打数2安打。活躍の機会は少なかったが、WSでチャンスは残されている。メジャー1年目で、最高峰の舞台へ挑む。

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WS決定の瞬間、ペトコパークに祝福の花火が上がった。一斉にグラウンド中央に駆けつけるレ軍ナイン。筒香もベンチから飛び出し、歓喜の輪に加わった。ともに戦った仲間やコーチ、チームスタッフらと抱き合い、第6戦で先発した左腕スネルとはお辞儀をして、喜びを分かち合った。チームを率いたキャッシュ監督は「非常に特別な気持ち。本当に素晴らしいチームだ」と選手達をたたえた。

試合開始の直後からベンチは熱気が帯びていた。出塁すれば拍手とかけ声が響き、得点すれば跳び上がって喜ぶほど。勝利後は興奮さめやらぬ様子で大いに盛り上がった。筒香はやや控えめに、節度を保って喜んだ。今シリーズ7戦のうち出場は2試合。出場機会が少なく、選手としては不本意な結果に終わった。

一方で、WSへ向けてチャンスは残った。ルーキーの外野手アロザレーナが頭角を現したものの、レ軍は日替わりでヒーローが現れ、ここまで勝ち上がってきた。ヤンキースとの地区シリーズ第5戦では控え選手のブロッソーが決勝弾。「多くの才能ある選手がいる」とキャッシュ監督が言うように、レギュラーは流動的だ。筒香は2試合の出場だったが、5打数2安打。第6戦の代打では鋭い当たりの右前打を放ち、初球打ちの積極性も見せた。

この日の試合前フリー打撃では中堅方向を中心に広角に打ち分け、3本の柵越えを放った。出番を待ち、淡々と準備を続ける。メジャー1年目で経験する最高峰の舞台。万全で挑む。

 

◆日本選手のワールドシリーズ進出 18年前田(ドジャース)以来。渡米1年目の野手では03年松井秀(ヤンキース)05年井口(ホワイトソックス)に次いで3人目。筒香はDeNA時代の17年日本シリーズに出場しており、ワールドシリーズでも出場すれば17年ダルビッシュ(ドジャース)以来となる日米でのシリーズ出場になる。