新人記録を塗り替えたレイズのランディ・アロザレーナ外野手(25)が、シリーズMVPに輝いた。

1回に放った中越えへの先制2ランが、ルーキーでは最多となるポストシーズン7本目の本塁打。「チームのためにと思ってやってきた。この球団で仲間と戦えて、非常にうれしい」と喜んだ。

キューバ出身の25歳は決死の覚悟でメジャーにやってきた。14年に最大の理解者だった父を亡くした。「もちろん辛かったけど、家族を経済的に支えるために、それが僕を精神的に強くさせてくれた」。翌15年、母と相談の上で亡命を決意した。夜のカリブ海をカヤックのようなボートでメキシコへ渡った。「すごく怖かった。8時間、自分の命をかけて、どうなるのか分からなかった」。生き延びることだけ祈っていた。

無事に上陸し、約1年間はメキシコリーグでプレー。16年にカージナルスと契約し、昨年メジャーデビューを果たした。今年1月にレ軍にトレードで移籍。「フレンドリーで、家族のように接してくれた」と球団と同僚に感謝する。今シリーズ打率3割2分1厘、4本塁打、6打点。強い気持ちを持った新星が、WS進出の立役者となった。