ワールドシリーズ(WS=7試合制)第2戦は21日(日本時間22日)、初戦を落としたレイズが常識を覆す継投策でドジャースの反撃を振り切り、対戦成績を1勝1敗のタイとした。スタメンから外れた筒香嘉智外野手(28)は、出場機会がなかった。第3戦は休養日を挟んで23日(同24日)、レイズがモートン、ドジャースがビューラーの先発で行われる。

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不穏な流れを感じた瞬間、レイズ・キャッシュ監督はためらうことなくベンチを飛び出した。感情的な判断ではない。5回。5点のリードが3点差となり、なお2死一、二塁。この回2死まで無安打に抑えていた18年サイ・ヤング賞左腕のスネルをあきらめ、レギュラーシーズンでチーム最多6セーブを挙げたアンダーソンを投入した。次打者ターナーは空振り三振。「彼(アンダーソン)は最高の救援投手。彼は全てのことができるから」。狙い通り敵の反撃の芽を摘んだことが勝敗の分け目となった。

球界の常識であれば、勝利の方程式はセットアッパー→クローザーの順。だが、レ軍野球に“セオリー”はない。中盤から、早々と敵の中軸相手にベストのリリーバーをぶつけ、流れを渡さない。切り札を最後まで温存するのではなく、常に先にカードを切り続け、相手に重圧をかけて追い詰めて行く。「うちは、全員がどんな役割でもこなしていく」(同監督)。ポストシーズンを含め、今季ここまで13人がセーブを記録したように、タイプが異なる高水準の救援陣がいるからこそ成立する「逆方程式」で勝ち上がってきた。

継投だけでなく、展開次第では4番など中軸打者に代打を送ることもいとわない。途中降板したスネルは、素直に言った。「監督は常にいい選択をしている。だから成功している」。ベンチ入り28人に控えはいない。スター軍団のド軍とは異なるレ軍らしい勝ち方。弾みが付く勝利となった。【四竈衛】