ナ・リーグのサイ・ヤング賞を獲得したトレバー・バウアー投手(29=レッズFA)がオンライン会見に応じ、同賞2位となったカブスのダルビッシュ有投手(34)への思いを語った。

他球団のエース同士とはいえ、2人は尊敬し合う間柄だった。これまでにプライベートな時間を利用し、トレーニング方法など情報交換を交わしてきた。ダルビッシュ自身「投球スタイル、日頃やっていることも似ている。同志と言うか、同じタイプの人間」と言うほど思い入れは強い。

今季は、直接対決で1勝1敗と、ほぼ互角に投げ合った。バウアーにしても、ダルビッシュの存在は格別だった。「あれほど多くの球種を投げて、しかも四球が少ない。すごく尊敬してきた。デグロム(メッツ=同賞3位)ともども、ファイナリストにふさわしいし、彼の今季の活躍をとてもハッピーに思う」と、あらためてダルビッシュの能力の高さに敬意を示した。

UCLA時代の2009年、日米大学野球で来日した際には、満員の東京ドームに感銘を受けた。昨オフの来日時には、共通の施設を利用していたDeNA今永らと一緒にトレーニングを行うなど、異国文化を吸収する貪欲さを持ちつつ、技量を高めてきた。「日本から来る選手は常に尊敬している」。親日家の一面だけでなく、バウアーの野球に対する真摯(しんし)な姿勢が、投手として最高の栄誉につながった。