野球殿堂博物館には、ハンク・アーロン氏の使用したバットが展示されている。

1992年(平4)に日本人の関係者を介して寄贈されたという。巨人高橋由伸氏やロッテ・サブロー氏らの用具担当を務めたバットの見立てのプロ、SSKの岩元正氏に、その特徴を聞いた。

岩元氏 木目から分かるのは、材質がホワイトアッシュだということ。この時期のメジャーでは主流な材質です。長さや重さは分かりませんが、打球部から先端にかけて太く、典型的な長距離打者仕様です。グリップは細く、形はレギュラータイプ。いわゆるトップヘビーなバットです。このバットで小指をかけてスイングしていたとしたら、かなり遠心力を使えていたのではないでしょうか。

同博物館にはジャッキー・ロビンソン氏やベーブ・ルース氏のバットも展示されているが、それらと比べても、打球部の太さとグリップの細さが際立つ。アーロン氏の特徴が分かるバットだった。