「上原魂」を継承する。ロッテからレッドソックスに移籍が決まった沢村拓一投手(32)が17日(日本時間18日)、オンラインで入団会見に臨み、メジャー挑戦への抱負を語った。レ軍との結びつきは、球団のOBで巨人時代にともに戦った上原浩治氏(日刊スポーツ評論家)の存在が大きかったことを明かした。現在は日本で調整中。ビザが発給され次第、渡米してチームに合流する。

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沢村ははきはきと力強く、夢舞台への思いを口にした。オンライン会見での質疑応答は日米メディア、通訳を介して、30分以上にも及んだ。移籍市場の動きが遅く、2月中旬のキャンプイン直前でようやく契約合意。「待つ時間は長かったかもしれないですけど、こうしてボストン・レッドソックスの一員になれて、アメリカの舞台で勝負できることに今、とても興奮しています」と胸を躍らせた。

目に焼き付けていた光景がある。2013年。「上原さんがワールドチャンピオンになった時、フェンウェイパークの右翼のブルペンから、(登場曲の)サンドストームが流れてマウンドに向かう姿に憧れて、僕も日本でサンドストームを使っていたので」と、先輩の背中を追った。長年、夢描いていたメジャーの舞台。「上原さんの存在、アドバイスというのが、レッドソックスに僕を導いてくれたんだと思ってます」と、強い結びつきを感じた。ただ、上原氏と同様の登場曲を使う予定については「トップ・シークレット」。英語で笑いを誘いつつ、上原継承に含みを持たせた。

チームは救援陣が手薄なだけに、沢村にかかる期待は大きい。守護神を任される可能性もあるが、「一番はやっぱり、レッドソックスが勝ち続けるということ。ボストンのために、献身的に努力して、チームがどうやって勝つか、自分が今何ができるかを日々考えながら、今年1年間、戦えたらと思ってます」。気持ちを新たに夢への1歩を刻む。【斎藤庸裕】