メジャー3年目を迎えたマリナーズ菊池雄星投手(29)が今季初先発し、6回6安打3失点1四球10奪三振と力投したものの、3-3の同点で交代し、勝敗は付かなかった。

先頭スレイターに最速97マイル(約156キロ)をマークするなど2回まで無安打4奪三振と、快調に飛ばした。3回にポージーにソロ本塁打、6回には4番ロンゴリアに同点2ランを浴びながらも、緩急をつけながらテンポ良くアウトを重ねた。

試合後は「(本塁打の)2発は悔いが残りますけど、オフシーズンから取り組んできたことが出せましたし、いいスタートだと言えると思います。投球内容自体は、すごく充実感があります」と、冷静に振り返った。

“最遅”は77マイル(約124キロ)のカーブで最大スピード差は32キロ。「初戦から今シーズンはこれで行くんだという、自分の形を出せたと思います」。21年版の菊池スタイルで、2019年5月3日以来となる自己最多タイの2桁10三振を奪った。

過去2年間は、力強い球を投げながらも勝負どころで痛打されたり、好不調の波もあり、本来の力を出し切れなかった。この日は、打者25人に対し、初球ストライクが19球(76%)。「シーズンは長いので、今日のようにバランス良く、ストライク先行で行けば、数字は付いて来てくれると思います」。白星は逃しても、手に残る好感触が今季初登板の最大の収穫だった。

▼菊池がシーズン初登板で10奪三振。菊池の2桁奪三振は19年5月3日インディアンス戦以来、大リーグ移籍後2度目。2桁奪三振を複数回マークした日本人投手は9人目だが、左腕では菊池が初めて。