パドレスのダルビッシュ有投手(34)が、今季2試合目の先発で6回3安打1失点1四球7奪三振と好投したものの、勝敗は付かなかった。

2回までは4奪三振と快調にスタート。3回、先頭クロフォードにソロ本塁打を浴びたが、その裏、味方打線が同点に追い付いた。6回を3者凡退に仕留め、89球で交代した。「全体的に調子がいいわけではなかったですけど、粘り強く投げられました」。

白星にこそ届かなかったものの、多くの好材料を実感できる登板だった。開幕投手を務めた1日(同2日)のダイヤモンドバックス戦では、勝利投手の権利を「あと1死」で逃し、5回途中でマウンドを譲った。オープン戦最終戦でマウンド上の不規則な穴の影響もあり、フォームのバランスを崩した。その後、開幕戦までにキャッチボールやブルペン投球で修正を試みたものの、感覚のずれは残ったままだった。「開幕に比べて良くはなってますけど、まだ直さなきゃいけないことはあると思います」。調整途上であるとしながらも、左打者へのスプリットを多投する新パターンを織り交ぜつつ、多彩な球種を投げ分ける安定感抜群の内容だった。

開幕戦の登板直後には、新型コロナ対策のワクチン(1回目)を接種。「具合が悪くなる人もいるみたいですが、僕はまったく問題なかったです」と、登板間も通常のルーティンをこなし、2戦目へ備えた。

今季初勝利は次戦以降にお預けとなったが、チームは連敗ストップ。「自分の中ではまだまだですけど、ちょっとホッとした部分はありました」。6回1失点でも、自己評価は「まだまだ」。ダルビッシュが求めるレベルは、はるかに高く、奥深い。