エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャー今季最速となる119マイル(約191・5キロ)の打球速度をたたきだした。

12日(日本時間13日)のロイヤルズ戦に「2番DH」で出場し、7回2死二、三塁から、今季最速となる打球速度で右翼線へ2点適時二塁打を放った。5打数3安打3打点で5試合連続安打と今季初の1試合3安打をマーク。前日に米男子ゴルフツアーのマスターズを制した松山英樹に負けじと、世界トップレベルの打撃を披露した。

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大谷がベースボール最高峰の舞台で今季トップの数字をマークした。1点リードの7回2死二、三塁、速球派の右腕バーローの95マイル(約153キロ)の内角高め速球を捉えた。メジャー今季最速となる打球速度119マイル(約191・5キロ)で右翼線を破る2点適時二塁打。先発のコブを援護する一打に「勝ちがつくかつかないかでは全然違いますし、そういう意味でもいい1本だったなと思ってます」と納得の表情を浮かべた。

前日、移動の飛行機内で、後ろの席に座っていたゴルフが趣味の同僚トラウトから「優勝したぞ」と日本人初の歴史的偉業を伝え聞いた。マスターズで初優勝を飾った松山について「喜ばしいことですし、本当にすごいなと。良かったなと思ってます」と笑顔で偉業をたたえた。松山の活躍にあやかるように打球速度で今季メジャーNO・1。「しっかり下半身で振らないと、ああいう打球は打てない。去年だったら引っ張り切れていないのかなという感じ」。左膝を踏ん張り、全身を使ったスイングで強烈な打球を生み出した。

第1打席では内角スライダーを流し打ち、左前に運ぶ華麗な技術も見せた。5打数3安打3打点で、主軸として打線をけん引。今季最速の打球も放ったが、「上がってくれたらホームランにもなりますし、ベストはもうちょっと角度のある打球だったかなと思います」。慢心せず、まだまだ上を目指す。【斎藤庸裕】

▽エンゼルス・マドン監督(大谷の打撃について)「力強いスイングで、フィールドの全方向に打てている。素晴らしいアスリートだ。彼はこれ以上ないくらい良い感覚と自信を得ているはずだ」

▼大谷が19年9月7日ホワイトソックス戦(5打数3安打)以来、米通算14度目の猛打賞。昨季は1チーム60試合の短縮シーズンだったとはいえ、日本人野手3人(大谷、筒香、秋山)が猛打賞を記録しておらず、日本人選手としても2年ぶりの猛打賞となった。