エンゼルス大谷翔平投手(26)が21日(日本時間22日)、登板翌日弾で節目を飾った。本拠地でのレンジャーズ戦に「2番DH」で出場。3回の第2打席、右中間へ日米通算100号となる今季5号ソロを放った。本紙メジャー担当記者は、13年7月10日の楽天戦(Kスタ宮城=現楽天生命パーク)で放った日本1号とこの日の日米通算100号を、ともに現地で目撃した世界でもまれな存在。プロ9年目の大谷に感じたものとは?

 ◇    ◇

楽天が球団初の日本一を達成した13年、チームの担当記者を務めていた。Kスタ宮城(当時)のバックネット裏記者席で、打者大谷を初めて見た。そして、プロ1号を放った。打った瞬間に本塁打と思わせた右翼への弾道は、今でも記憶に刻まれている。まさか8年後、米国で通算100号を再び肉眼で目撃するとは、思ってもみなかった。

8年前の記憶をたどると、大谷は「いい構えだな」と思った。身長は高かったが、パワーがありそうな体格ではなかった。「打てるのかな」。そんな印象だった。5年後、メジャー1年目から大谷を取材する縁に恵まれた。今では日々、エンゼルスタジアムで打席に立つ姿を見ると「打てそうだな」と思う。体格が大きくなったことはもちろんだが、打席で強打者の雰囲気が漂っている。

かつて大谷は、打席での構えを大事にする上で最も意識していることについてこう言った。「打てそうな雰囲気を持って、打席に立てるかどうか」。8年前は正直、感じられなかった。だが今は違う。大谷が求める雰囲気は、外からでも確実に見てとれるようになった。【MLB担当=斎藤庸裕】

 

◆日本1号 13年7月10日の楽天戦(Kスタ宮城=現楽天生命パーク)に「7番右翼」で出場。1点リードの4回1死三塁、楽天永井の138キロ直球を右翼スタンド中段まで運んだ。92打席目でのプロ初アーチは推定飛距離120メートルの2ラン。8回には長谷部から対左腕の初安打もマークし、2安打2打点で、チームを4-1の勝利に導いた。

 

◆メジャー1号 18年4月3日のインディアンス戦に「8番DH」で出場。1回の第1打席で、右腕トムリンから中越えの3ランを放った。ベンチへ戻ると同僚たちは知らんぷり。メジャー恒例の「サイレント・トリートメント」を仕掛けられた。本拠地デビュー戦での初打席初本塁打で仲間に祝福をおねだりする大谷の姿は、ファンも和ませる名シーンとなった。