パドレスのダルビッシュ有投手(34)が、メジャー44度の2ケタ奪三振ショーで3勝目(1敗)を挙げた。4月30日(日本時間5月1日)、ジャイアンツ相手に7回途中4安打1失点、毎回の12奪三振。それでも「たまたま三振が取れましたけど、課題はたくさんある」と謙虚に振り返った。

熟練の投球術だった。1回、先制ソロを浴びても、頭脳は冷静だった。6回無死二塁では、3番以下を3者連続三振。投球のイメージはカットボールとスライダーが軸だが、この日は時速145キロ前後のスプリットと115キロ前後の縦割れカーブを効果的に交え、翻弄(ほんろう)した。

最速は左打者ベルトに投じた97マイル(約156キロ)の内角ツーシーム。「相手ベンチに見せるというか、かき回したいというのはありました」。11種類ともいわれる多彩な球種を持ちつつ、要所では自らサインを出してアウトを重ねた。12奪三振の最終球は6球種。パターンに固執しない、球種選択の秀逸さが際立った。

開幕投手を任された新天地で、4月は3勝1敗でスタートした。「一応、勝ちはつきましたし、結果としては悪くないと思いますけど、やらなきゃいけないことがたくさんあると思います」。メジャー10年目。ダルビッシュが目指すレベルは、果てしなく高い。

◆ダルがパ軍記録 ダルビッシュがジャイアンツ戦で12三振を奪って今季49奪三振とし、07年ジェーク・ピービの46奪三振を上回り、4月末までの三振数でパドレス史上最多。ピービは同年サイ・ヤング賞を獲得している。また、5試合連続で「投球6回以上、1失点以下」は91年アンディ・ベネス以来、チーム史上4人目。