ツインズ前田健太投手(33)が5回1/3、今季最多の94球を投げて2安打2四球無失点。8三振を奪う好投で2勝目、今季ホーム初勝利を挙げた。試合後は「いい感覚で投げることができましたし、無失点に抑えることができて、いい感覚でした」と振り返った。

細かい制球に苦心しながらも、持ち前の粘り強い投球でホームを踏ませなかった。2回、3回といずれも走者を得点圏に背負いながら、最後はいずれも速球で空振り三振。ピンチを脱するたびに拳を握り、雄たけびを上げた。

過去2戦は、いずれも3本塁打を浴びて降板した。宝刀スライダーが甘く入ったところを痛打されるパターンが続き、マウンド上で首をかしげる光景が見られた。この日の序盤は、落差の異なるチェンジアップ、高めの速球を最終球として多投。5回まで毎回の8三振を奪った。「高めの速球で三振を取れたのは大きかったと思います」。

登板間には、フォームなどの技術面だけでなく、メンタル的な要素も見つめ直した。「去年は(先発が)約10試合。今年、元に戻って、先を見過ぎていたし、全力で投げられていなかった」。ボールが先行しても、「勇気を持って」チェンジアップを投げ込むなど、安全策ではなく、攻めの姿勢を貫いた。

序盤に球数を要したため、6回途中でマウンドを譲ったものの、先発として役割は十分に果たした。「長いイニングを投げることも大事ですが、今できることは、球数がかかっても点を与えないことだと思います」。開幕投手を任された前田も、V候補のツインズも、4月は地力を発揮できず、不本意に終わった。「勝っていけば乗って来るので、このまま5月を過ごしたいですね」。昨季サイ・ヤング賞得票で2位の前田が、徐々に本来の姿に近づいてきた。