エンゼルス大谷翔平投手(26)が、両リーグトップに並ぶ10号2ランを放った。この日、メジャー21年目のレジェンド、アルバート・プホルス内野手(41)がメジャー40人枠から外れ、球界に衝撃が走った。大谷の節目のアーチは、1年目から慕っていた同選手へ向けて、惜別の1発ともなった。

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現地時間6日午前、球団から突如、発表された。ベテラン強打者のプホルスが、エンゼルスの戦力構想から外れた。メジャー通算2112打点は歴代3位、667本塁打と669二塁打は歴代5位。エ軍は数々の功績を残したチームの顔を放出する決断を下した。

若手選手の出場機会を確保するための措置だった。会見に応じたミナシアンGMは「ウォルシュがいて、彼に一塁を毎日、守ってもらいたい。DHではショーヘイ・オオタニがいる」と説明した。一塁手ウォルシュが昨季後半から急成長し、主にDHの大谷は今季開幕から絶好調。球団は2週間前から議論を重ねてきたという。同GMは「アルバートはベンチにいる選手ではない。彼は今までと同じように出場意欲を示している。彼に対しても、チームにとっても良くない。組織にとってベストだと感じた」と現役続行を希望するプホルスに前日5日の試合後に通告。チーム事情を話し合った上で決定した。

また、今季はここまで大谷が全試合に出場中でDHを解除し、投打で起用される試合もある。そのしわ寄せがプホルスの出場機会に影響したことについて、マドン監督は「それは確かに、よく見ている意見だ。どれだけ翔平が両方で出られるかというのは、(開幕前に)分からなかった」と、起用法の幅が広がった影響もあったことを明かした。

◆アルバート・プホルス 1980年1月16日、ドミニカ共和国生まれ。99年ドラフト13巡目(全体402位)でカージナルス入りし、01年に新人王。1年目から10年連続で打率3割、30本塁打、100打点。05、08、09年ナ・リーグMVP。03年首位打者、09年本塁打王、10年に打点と本塁打の2冠。球宴10度選出、一塁手で2度のゴールドグラブ賞。11年オフにエンゼルスと10年総額2億4000万ドル(約264億円)で契約。メジャー通算3253安打、667本塁打、2112打点。191センチ、106キロ。右投げ右打ち。

◆DFAとは エンゼルスがプホルスをメジャー出場の前提となる40人枠から外した。MLBではこれを「DFA」と呼び、事実上の戦力外。7日以内にウエーバーにかけられ、獲得球団が見つからなければ自由契約となる。プホルスは今年が10年契約の最終年だが、今季の年俸3000万ドル(約33億円)を支払う球団が現れる可能性は低く、ほぼ確実に自由契約となる。自由契約になれば、メジャー最低保障年俸(今季は57万5000ドル=約6330万円)で獲得でき、残りの年俸はエ軍が負担する。