メジャー21年目のレジェンド、エンゼルスのアルバート・プホルス内野手(41)が6日(日本時間7日)、メジャー40人枠から外れ、球界に衝撃が走った。

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プホルスは対面する日本人メディアによくお辞儀をしていた。大谷から教わったという。「リスペクトを表すことでしょ。大谷が来てから日本の伝統を学んだよ」と、うれしそうだった。記者に囲まれる大谷に向けて「オオタニサン!」と叫び、驚かせたこともある。近寄りがたいオーラを感じる一方で見せる、かわいらしく、ちょっぴりおちゃめな一面。コロナ禍前のレジェンドの、そんな姿を思い出す。

1度だけ、取材で嫌な顔をされたことがあった。18年2月の春季キャンプ。用具を磨いていたプホルスに近づいた。「なんだ?」。質問しようとしたが、しかめ面にたじろいだ。日々のルーティンを最も大事にする選手。取材は、事前に球団広報に知らせる必要があった。大切な時間に勝手に踏み込んだ無知で、リスペクトに欠けた行為を猛省した。その後数回、短いインタビューをさせてもらう機会があった。感謝の言葉を伝えると、「Anytime(またいつでも)」と笑顔で握手してくれた。

試合では常に全力。足は遅いが、106キロの巨体を揺らして懸命に走る姿は心を動かされる。今季、4月19日レンジャーズ戦では、三盗で観衆を沸かせた。打てそうな雰囲気は、まだある。もう1度、プホルスのプレーが見たい。ファンもきっと、そう思っている。【MLB担当=斎藤庸裕】