エンゼルス大谷翔平投手(26)が、求められる打撃を実践し、チームの連敗ストップに貢献した。ドジャース戦に「2番DH」で出場し、5打数2安打2打点。5回に左越えの適時二塁打で中押し点を加え、6回には右越え二塁打でダメ押し点を挙げた。ボール球を片手1本でフェンスまで運ぶ、破格のパワーも見せた。大谷の長打力で効果的に得点を重ね、チームは9得点で快勝。連敗を5で止めた。

崩されても、今の大谷なら飛ばせる。7点リードした6回2死二塁、右腕ケリーの外角チェンジアップに目いっぱい手を伸ばした。大きく外れたボール球に泳ぎながら、最後は右手1本のフォロースルーで捉える“片手打ち”。それでも打球は右翼フェンスを直撃した。ダメ押し点を挙げたパワフルな打撃にマドン監督は「力強い。ほとんど全てのボールに対し、力強いスイングをしている」とうなった。

5回には1死一塁から左腕ウリアスの約152キロの外角高め直球を捉え、左越えに運んだ。左に右に、2打席連続の適時二塁打。長打率はメジャー6位の6割5分2厘で、5月は6安打のうち5本が長打となった。試合前の時点で、安打になりやすい打球を飛ばしている指標となる平均バレル率が、16・3とメジャー断トツ。今季から低反発球が導入されている中、打球速度119マイル(約191・5キロ)は自己最速を更新し、本塁打の平均飛距離420フィート(約128メートル)も過去3年に比べて最高の数字をマークしている。【斎藤庸裕】

◆バレルとは 打球の初速が98マイル(約157・7キロ)以上、打球角度26~30度で打球を放ったときの指標で、統計によるとこれが最も安打になる確率が高いとされている。このバレルで打つ確率を%で表したのがBarrel%、1打席平均の数値を表したものがBarrels/PA%で、大谷はこのBarrels/PA%が16・3となっている。