マリナーズ菊池雄星投手(29)が、昨季世界一を相手に6回1/3を6安打3失点1四球、自己最多の11奪三振と力投したものの、白星には届かなかった。1点リードで交代したが、救援陣が打ち込まれて逆転負けを喫し、菊池の2勝目は消えた。試合後は「チームが勝てず、悔しい気持ちの方が強いですが、ポジティブな要素も個人的には多かったと思います」と、冷静に振り返った。

敵地のマウンドでも、力強く、ストライクゾーン内で勝負を挑み続けた。2回無死一、二塁のピンチでは、投げ急ぐことなく、球数を要しても3つのアウトを重ねた。3番ターナーの3三振をはじめ、毎回の11奪三振。「三振を多く取るというより、1人1人をアウトにしていこうと思った気持ちが、そういう数字につながったのかと思います。迷いなく投げられていると思います」。7回1死一、二塁でマウンドを譲り、残した2走者が生還したため、3失点となったが、王者をねじ伏せる投球だった。

今季は7試合中6試合で6回以上を投げ、先発陣の柱としての信頼感も増した。1勝目を挙げたアストロズ戦をはじめ、ドジャースなど強打線相手の力投に、サービス監督も「すばらしい努力。引き続き、どんどん良くなっている。タフな敗戦だったが、雄星は勝利に値する」と、ねぎらいの言葉を続けた。

6回を終えて93球。これまでなら交代機だったが、7回も続投し、今季最多の106球を投げた。「やっと来たか、という感じ。楽しみにしながらマウンドへ向かいました」。白星は消え、チームは敗れても、3年目を迎えた菊池の上昇カーブは変わっていない。

▼菊池が大リーグ移籍後、自己最多の11奪三振。大リーグでの2桁奪三振は19年5月3日インディアンス戦(10個)今年4月2日ジャイアンツ戦(10個)に次いで3度目。この日は大谷も10奪三振。日本人投手が同日に2桁奪三振は14年6月11日(田中11個、ダルビッシュ10個)19年5月15日(前田12個、ダルビッシュ11個)に次いで3度目。