パドレスのダルビッシュ有投手(34)が先発し、4回を2安打1失点(自責0)1四球2奪三振で、勝敗は付かなかった。

チームは同点で迎えた6回、8番カラティニの満塁弾で勝ち越して3連勝。試合後、ダルビッシュは「体は重くはなかったですが、キレがなかった。それでも4回1失点。大人になったと思います」と、苦笑いを浮かべて振り返った。

緊急事態のチーム事情、さらに7イニング制ならではの早期交代だった。1回、中堅手の失策絡みで1点を先制された。標高約1600メートルの高地デンバーにあるクアーズフィールドは、乾燥してボールが飛びやすく、投手にとっては各球種を操りづらい難所。「真っすぐが良くなかったので、カットボール、スライダーを多く投げました」。多彩な球種の中から制球しやすい球種に絞る一方、高低、両コーナーに曲がり幅、球速を微妙に変えながら投げ分け、その後は追加点を許さなかった。

もっとも、味方打線も無得点。現在のパドレスは、タティスJr、ホズマーら主力野手5人が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示し、負傷者リスト入りしており、得点力不足は明らかだった。0-1と1点を追う5回2死一、二塁の好機で、打順はダルビッシュ。4回終了時で、球数76球と余力十分だったが、パドレス首脳陣は代打を送り、ダルビッシュの役目は終わった。ティングラー監督は「点を取るために、ユウ(ダルビッシュ)を早く代えた」と、交代理由を説明した。

通常の9イニングであれば、続投確実だったが、ダルビッシュに不満はない。「みんなで勝った試合。もっと行くつもりでしたが、試合に勝ったのでよかったです」。防御率は2・08。この安定感があれば、白星はおのずと付いてくる。