エンゼルス大谷翔平投手(26)がまた1つ、メジャーの歴史を掘り起こした。12日(日本時間13日)のアストロズ戦に「1番DH」で出場。三刀流の翌日は4打数無安打に終わったが、前日に先発登板した選手が1番打者として出場したのは1916年のレイ・コールドウェル(ヤンキース)以来、実に105年ぶりとなった。大谷はここまで全36試合に出場。1921年ベーブ・ルース(ヤンキース)以来100年ぶりとなる本塁打数リーグトップの先発登板を果たすなど、メジャー史マニアをうならせる活躍を見せている。

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【大谷が今季掘り起こした記録たち】

◆118年ぶり(4月4日ホワイトソックス戦) 投手が2番で出場したのは1903年ジャック・ダンレヴィ(カージナルス)以来。

◆49年ぶり(4月4日ホワイトソックス戦) ア・リーグの投手が同リーグの試合で本塁打を放ったのは1972年ロリック・ハリソン(オリオールズ)以来。

◆85年ぶり(4月21日レンジャーズ戦) 4イニング以上を無失点に抑えた翌日に本塁打を放ったのは1936年エド・ヒューザー(カージナルス)以来。

◆100年ぶり(4月26日レンジャーズ戦) 本塁打数リーグトップの選手が先発登板したのは1921年ベーブ・ルース(ヤンキース)以来。

◆54年ぶり(4月26日レンジャーズ戦) 9三振以上を奪って打席で2安打3得点を記録したのは1967年ルイス・ティアント(インディアンス)以来。

◆100年ぶり(4月30日マリナーズ戦) 先発登板した同一の月に月間8本塁打を記録したのは1921年ベーブ・ルース(ヤンキース)以来。

◆史上初(5月6日レイズ戦) チーム30試合目までに投手で30三振以上を奪って打者で10本塁打。

◆51年ぶり(5月11日アストロズ戦) 10奪三振を記録した選手が同じ試合で投手以外のポジションに就いたのは1970年サム・マクダウェル(インディアンス)以来。

◆史上初(5月11日アストロズ戦) 開幕から5先発で40奪三振以上かつ被安打11以下。

◆105年ぶり(5月12日アストロズ戦) 前日に先発登板した選手が1番打者として出場したのは1916年のヤンキースのレイ・コールドウェル以来。

 

◆レイ・コールドウェルとは? ヤンキース時代の1916年7月25日ホワイトソックス戦に「9番投手」も5回9安打9失点で敗戦投手になった翌26日、同じホ軍戦に「1番中堅」で出場。4打席とも内野ゴロに終わった。DH制のない時代に19年まで毎年数試合、外野手でもプレー。通算成績は134勝120敗、防御率3・22、打撃成績は打率2割4分8厘、8本塁打、114打点。性格は破天荒で、容認されていたスピットボール(ワセリンなどを使用した変化球)の名手。アルコール依存症で監督と衝突が絶えず、インディアンス時代の19年8月アスレチックス戦では、9回2死で落雷により失神。数分後に意識が戻って続投し、1失点完投した。その17日後、古巣ヤ軍を相手に無安打無得点も達成。