ドジャースが15日(日本時間16日)、レイズから戦力外となった筒香嘉智外野手(29)をトレードで獲得したと発表した。レイズは金銭、もしくは後日発表の選手を得る。筒香は今季は主に一塁手として26試合に出場し、打率1割6分7厘、0本塁打、5打点と低迷。11日にメジャー40人枠を外れた。

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ウエーバー期間中にトレードを成立させたところに、ドジャースの本気度が表れている。世界一連覇を狙うが現在、地区3位。同期間が終了すれば、筒香はFA(フリーエージェント)となるため、NPBを含め全球団との交渉が可能となる。その前段階で、金銭または選手とのトレードという形で、年俸負担は最低保証のみのローリスクで交渉をまとめた。元レイズGMだったフリードマン編成本部長が友好関係をフルに生かし、プホルスとの「ダブル獲得」を同時進行させた結果だ。

今季、打率1割6分7厘と低迷したとはいえ、ド軍は19年オフ、ポスティング申請した筒香争奪戦に加わった。長打力に強い興味を示していた。その後、ピダーソン(カブス)、バーデューゴ(レッドソックス)ら左打ちの外野手が移籍した。現在、ベリンジャー、ポラックら主力外野陣が負傷者リスト入りしており、重要なカンフル剤として筒香とプホルスの補強に積極的に動いた。

もっとも、筒香にすれば、すぐに結果を求められる立場に変わりはない。ロバーツ監督は、相手投手によって頻繁に打線を入れ替えることもあり、おそらく出場機会は一定しない。代打、途中出場など、今後も慣れない役割を求められるだけに、正念場は続く。【MLB担当=四竈衛】

◆ドジャースのチーム状況 野手の負傷者が続出し、選手層が手薄に。主砲ベリンジャーは4月5日、ユーティリティーのマッキンストリーは同20日の出場を最後に離脱。控え一塁手リオスは右肩手術で今季絶望、左翼手ポラックは左太もも裏の張りで数週間離脱。さらに遊撃手シーガーがこの日のマーリンズ戦で右手を骨折した。代役はユーティリティーの中堅テイラーと二塁手ラックスが務める見込みだ。

筒香が今季プレーした一塁にはマンシー、三塁にはターナーの主力がいるが、控えのノイジーやピーターズ、レイリーら若手は不振。また、打線は左腕相手に今季打率2割1分7厘とメジャー平均を下回る。プホルスは今季対左で打率2割5分9厘、OPS8割7分8厘と好成績、筒香も対左はメジャー通算で打率2割2分9厘(対右は1割7分6厘)を記録。