マリナーズ菊池雄星投手(29)が、6回2/3を3安打2失点1四球5奪三振と好投し、今季3勝目(3敗)を挙げた。最速98・5マイル(約158・6キロ)をマークするなど、力強い投球でチームの4連勝、勝率5割復帰の原動力となった。

ベンチへ戻る際の地元ファンのスタンディングオベーションが、貢献度を物語っていた。5回までは1失策のみの無安打投球。6回、先頭のカルフーンに初安打を許しても、冷静に後続を併殺に仕留めた。7回、2ランを浴び、2死から初四球を与えたところで交代したものの、試合を支配したのは菊池の圧倒的な投球だった。

「勝っている状態でバトンを渡せたのは良かった。最後の回は抑え切りたかったですけど、全体的には満足の行く投球ができたと思います」

ゾーンの四隅ではなく、どの球種も真ん中を目がけて腕を振り続けた。104球中、ストライク73球とストライク率は70・2%。「すべての球を、自信を持って投げられています」。序盤から狙われたカットボールをボール気味に投げてファウルを打たせ、速球、スライダー、チェンジアップで仕留める新パターンで、同地区のレンジャーズ打線に的を絞らせなかった。

6試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責3以内)をクリア。サービス監督も「毎回勝てる投球をしているし、すごく自信を持っている。タンクにすごい量のガスが入っていて、これまでに見たことがないくらい安定している」と、レベルアップした3年目の左腕への信頼感を口にする。

ローテーション通りなら次回登板は、6月5日(同6日午前11時7分開始予定)のエンゼルス戦。花巻東高の後輩、大谷との今季初対戦が見込まれるものの、試合後の菊池は「30分前に100球投げ終えたばかりなので、今は充実感に浸っていいと思います」と、苦笑いで交わした。

速球が100マイル(約161キロ)に近づき始めた菊池と、豪快弾を連発する大谷。同郷2人の力勝負は、日本だけでなく、米国ファンの視線も集めるに違いない。