メッツのエース、ジェイコブ・デグロム投手について、MLB公式サイトが「2018年と19年のサイ・ヤング賞受賞時をも上回るパフォーマンスを見せている」とし、3つの面で進化を遂げたと述べた。

1つ目のポイントは、速球を巧みに使っていること。デグロムは、10日の時点で今季9試合に先発し、1イニングあたりの許走者数を示す「WHIP」は0・569、9回あたりの奪三振率は14・4と球界屈指の活躍を披露。ここまで100マイル(約161キロ)超えの速球を121回も投げており、特にフォーシームの使用率はキャリア最高の63・4%。2ストライクに追い込んでからフォーシームで相手を仕留めた率は、先発陣のなかでは最高の39・3%となっている。

2つ目のポイントは、グラブサイド(グラブをはめる手の側)で自分の武器をうまく使い分けていること。むやみにチェンジアップやカーブを使うのではなく、速球とスライダーのコンビネーションが最適と考えればそれにこだわり、使っていく。今季はそのコンビネーションの使用が過去最高で、右打者に対してはアウトサイドに逃げるスライダー、左打者にはインサイドに食い込むスライダーとストレートを使って手玉に取っている。

3つ目のポイントは、セカンダリー・ピッチ(速球の後に投げる球で最も頻繁に使われているもの)を非常に効果的なレベルに引き上げたこと。特にスライダーとチェンジアップではゾーンギリギリを攻めるスタイルから、ゾーンの端からわずかに外れるスタイルへ変化させており、特にスライダーでその効果を発揮。ストライクゾーンと思わせて打者にバットを振らせる位置への投球率は、メジャー先発陣でデグロムがトップの33・5%となっている(スライダー100球以上が条件)。