二刀流劇場、満載-。エンゼルス大谷翔平投手(26)が11日(日本時間12日)、ダイヤモンドバックス戦に「2番投手」で出場。打者では4打数2安打1打点と打線をけん引し、投手では5回5安打2失点。3回の第2打席で右膝に自打球を当て、痛みを抱えながら右中間へ適時二塁打を放ち、その裏の投球ではこの日最速の99・6マイル(約160キロ)をマークした。ボーク2つと振り逃げで失点する不運もあったが、降板後の6回からは右翼を守り、7回には勝ち越し点につなげる右越え二塁打で笑顔あり。3勝目はならなかったが、二刀流ならではのプレーで躍動した。

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痛みに「アァッ」と声を上げた。3回2死一塁の第2打席。2球目の93・2マイル(約150キロ)のカットボールをスイングした。ファウルとなった打球が右膝を直撃。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、右膝に手を当てた。だが打席に戻り、6球目の速球を捉えて適時二塁打。試合後「今も多少、硬さはありますけど、そこまでかなと思います」と振り返ったが、走塁中には足をひきずる姿もあった。痛みに耐えながら、集中力を高めて放った一打は打球速度114・9マイル(約185キロ)だった。

気迫あふれる投球だった。右膝に自打球を当てた直後の3回。2死二、三塁と走者を背負うと、3番カブレラにこん身の直球を投げ込んだ。初球はこの日最速の99・6マイル(約160キロ)をマーク。ボールとなったが、その後も全球直球勝負で挑んだ。「やってる間は、(患部は)張りがあるぐらいの感じだった。(6回に)外野に行った時ぐらいから逆に集中力が多少切れて痛みを感じていた。投げてる時はそんなに(痛みは)感じてはないですかね」。5球目、98・5マイル(約158キロ)の内角直球で空振り三振。アドレナリン全開で、ピンチを脱した。

▼エンゼルス・マドン監督(大谷の投打の活躍に)「自打球をよく乗り越えたと思う。ギアを上げ、球速も上がった。その時々で、彼は何をすべきかしっかり理解している。信じられないくらい素晴らしいアスリート。翔平がすごく輝いた夜だった」