マリナーズ菊池雄星投手(29)が12日(日本時間13日)、敵地インディアンス戦に先発し、7回3安打無失点と好投したものの、勝敗は付かなかった。試合後は「これからにつながる試合だったと思います」と淡々と振り返った。

前回登板(5日)のエンゼルス戦で、右膝に打球が直撃して降板した。「当たった時は、今シーズンはヤバいかと思うくらい痛かった」。診断した医師が「あと数センチズレていたら危なかった」と言うほどだったが、数分後には「もう1回投げられるかも」と思えるなど、幸いにも大事にはいたらなかった。実際、翌日からは通常の練習を再開。アイシングなどの治療と並行しながら調整し、先発ローテを崩すことなく、中6日でマウンドへ向かった。

無論、万全の状態ではなかった。3回まですべて先頭打者を出す苦しい投球が続いた。だが、4回以降は右足の上げ方、タイミングを改良し、キッチリと立て直した。3回までのストライク率52%が、4回以降は77%までアップ。1安打に抑える危なげない投球でマウンドを譲った。「結果的に7回までゼロで抑えられましたし、貴重な試合になりました」。マ軍は3点リードの9回2死走者なしから追い付かれ、延長10回にサヨナラ負け。アクシデント直後ながら、強打線を封じた菊池の存在感だけが印象に残る試合だった。