【アナハイム(米カリフォルニア州)4日(日本時間5日)=斎藤庸裕】メジャー史上初めての快挙だ。13日(同14日)にコロラド州デンバーで行われるオールスター戦の投手と控え野手が発表され、エンゼルス大谷翔平投手(27)が、選手間投票で先発投手として選ばれた。ファン投票ではDH部門1位で、投打での選出は史上初。

また、岩手・花巻東高の先輩でマリナーズ菊池雄星投手(30)と日本ハムの先輩でパドレスのダルビッシュ有投手(34)も出場が決定した。

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文字通り、夢の祭典となりそうだ。大谷が史上初、投打の二刀流で球宴の登録メンバーに名を連ねた。ファン投票のDH部門トップに続き、選手間投票で先発投手5位。昨年サイ・ヤング賞投手のインディアンス・ビーバーに次ぐ評価だった。劇的なサヨナラ勝ちを収めたオリオールズ戦後、投打での選出について「初めてなので、まずは楽しみたいなと。ホームランダービーもあるので、全体的に楽しめたらなと思ってます」と胸を躍らせた。

とにかく初ものずくめだ。前夜祭は日本人で初のホームランダービーに出場。そして、オールスター戦では前例のない、投打での出場が期待される。現状のルールでは、DHを解除して「1番投手」などで1回表に打席に立ち、その裏に先発投手でマウンドに上がるか、もしくはDHで出場し、2打席立った後にDHを解除して投手で登板する方法などが考えられる。いずれにしても、オールスター戦でア・リーグがDHを解除すれば史上初となる。

夢はこれだけではない。岩手・花巻東の先輩でマリナーズ菊池とメジャーで“花巻リレー”が実現する可能性や、打者ではダルビッシュとの初対決も見られるかもしれない。大谷は「率直にすごいうれしいですし、高校の監督も喜んでくれるのかなと思う。ダルビッシュさんとは対戦したことがないので、してみたいなというのが、率直なところか。自分らしいスイングができればいいかなと思ってます」と声を弾ませた。

元祖二刀流ベーブ・ルースの存在がきっかけとなり、1933年に初めて開催されたオールスター戦。そのルースでさえ、球宴での二刀流経験はない。約80年の長い年月を経て、大谷が挑戦権を得た。日本が誇る二刀流として、歴史的な一戦の主役となる。

◆日本選手の選出 大谷、ダルビッシュ、菊池の3人が選出された。3人は最多タイ。14年に田中、ダルビッシュ、上原が選出されたが、上原は田中の故障者リスト入りによる代替選出だった。代替選出を除けば、3人は03年(長谷川、イチロー、松井秀)07年(斎藤、岡島、イチロー)に次いで3度目となる。レンジャーズ時代に4度選ばれたダルビッシュは、日本選手で初めて2球団から選出。両リーグからの選出も日本人初になる。