エンゼルス大谷翔平投手(27)が「2番投手」でスタメン出場し、6回4安打1失点無四球6奪三振と好投し、5連勝で今季6勝目(1敗)を挙げた。防御率は2・93。

DHを解除した「リアル二刀流」としては、今季13試合目の先発。打者としては3打数無安打と、豪快な1発は出なかったものの、先発投手としては安定感抜群の内容だった。速球、スプリットに頼り過ぎず、スライダー、カットボールを丁寧に両コーナーへ散らした。86球中、ストライクは59球(69%)。しかも、22打者に対し、初球ストライクが17回(77%)と常に有利なカウントで勝負の主導権を握った。試合後は「(相手打者が)浅いカウントでの真っすぐを狙っている感じがしたので、変化球で打たせて取る感じでした」と、淡々と振り返った。

最近4試合では、26イニングを投げてわずか1四球。「単純に(18年10月にトミー・ジョン手術をした)患部がほぐれてきたというか、最初は怖さもありましたし、それがTJ(トミー・ジョン)の難しさというのを、実戦に入った時に感じてました」。復帰してしばらくは制球難に苦しんだが、ようやく本来のゆったりとしたフォームが安定し始めた。

公式戦も残り2カ月を切り、いよいよ終盤戦。「連戦もありますし、疲労もたまりやすいと感じます。体の疲労を考慮しながらやっていかないといけないですね」。投打にフル回転する2021年。最後まで全力で駆け抜ける覚悟は変わっていない。【四竈衛】