エンゼルス大谷翔平投手(27)が、日本人初の本塁打王へ向け、勝負の13連戦に臨む。14日(日本時間15日)から敵地シカゴでホワイトソックスとの3連戦がスタート。ア・リーグ中地区首位の強豪が相手だが、同チームとの開幕4連戦では2本塁打を放ち、好スタートを切った。チーム休養日だった13日(同14日)、45号を放ったブルージェイズ・ゲレロに本塁打数でトップの座を奪われ、6月27日以来、78日ぶりに2位となった。巻き返しへの戦いが始まる。

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大谷が約3カ月ぶりに、追いかける立場となった。本塁打数トップに躍り出たゲレロと1本差。シーズンラスト1カ月の9月に入り、デッドヒートが続く。チーム休養日を挟み、大谷はホワイトソックスとの3連戦から再スタートを切る。今年4月、本拠地で行われた同カードの開幕4連戦では2戦目で守護神ヘンドリクスから第1号を放ち、投打同時出場のリアル二刀流で臨んだ4戦目では、速球派投手のシーズから特大の2号で衝撃を与えた。

開幕カード以来の再戦。場所を替え、敵地となるが吉兆データもある。ギャランティード・レートフィールドでは通算6試合の出場で24打数10安打の打率4割1分7厘、2本塁打、12打点。OPS(出塁率+長打率)は通算で球場別最高の1・440と打ちまくっている。18年9月7日の試合では、2試合連続本塁打を放った前カードから続く1発で自身2度目の3戦連発をマーク。また、19年9月7日は5打数3安打1本塁打で、メジャー自己最多の1試合5打点に加え、盗塁も決める大暴れぶりだった。

今季は7月までに37本塁打でアーチを量産したが、8月に入ってペースダウン。9月は打率2割7厘で2本塁打と本調子とは言えない。日本人初の本塁打王に向け、ライバルの結果も意識しながらタイトル獲得に意欲を燃やす大谷。敵地での3連戦を終えれば、今季25本塁打を放っている本拠地で10連戦を迎える。まずはその前に、好結果を残しているホワイトソックス戦から、巻き返しへのろしを上げる。

◆大谷の球場別OPS 大谷が通算で最も高いOPSを記録しているのはホワイトソックスの本拠地ギャランティード・レートフィールドだ。メジャーは球場ごとの特徴の差が大きく、左右均等でなかったり、一部のフェンスが高かったり低かったり、標高差で打球が飛びやすかったりするため、投打の有利不利がでやすい。各球場は投手有利のピッチャーズパーク、打者有利のヒッターズパーク、その中間のニュートラルパークの3つに分類され、ギャランティード・レートフィールドは外野フェンスの低さや風向きからヒッターズパークとされる。

◆OPS 出塁率+長打率で算出する指標で、打者の総合的な攻撃力を表す。チーム得点との相関が強く、メジャーでは打率などと同等に扱われている。平均は0・710前後で、0・900以上で一流、1・000以上で超一流とされる。大谷は今季0・972。