エンゼルス大谷翔平投手(27)が、4打数無安打で不発に終わった。14日(日本時間15日)、敵地シカゴでのホワイトソックス戦に「2番DH」で出場し、第1打席から2打席連続の三振を含む3三振。13連戦の初戦は見せ場なく、チームも完敗した。本塁打王争いでは幸い、トップのブルージェイズ・ゲレロも不発で1本差のまま。3位ペレスが43号を放ち、熾烈(しれつ)な争いが続く中、1日も早い大谷の打撃復調が期待される。

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大谷がらしくない空振り三振を喫した。6点を追う9回1死の第5打席、手元で沈む速球を2球連続で空振りした。3球目、大きく外角に外れたカーブをスイングし、3球三振。本調子であれば下半身で粘り、バットが止まるはずのコースの変化球を追いかけるように空振りした。5試合ぶりのノーヒット。さえない表情でベンチへ戻った。

マドン監督は、打撃復調へ2点の課題を挙げた。「彼に限らずだが、ストライクゾーンを再認識することが大事。次に、センター中心の打撃を心掛けること」。第1打席、カウント2-2からの6球目、外角高めのボール球をファウルとしたが、ゾーンから大きく外れていた。第2打席は低めいっぱいの直球を見逃して三振。基本とする好球必打の打撃が崩れている。同監督は「詰まることはあるかもしれない。それは悪いことではない」と、ボールを引きつける意識を求めた。

残り18試合。1試合1試合、ア・リーグ本塁打王の行方が注目される。幸い、ゲレロも不発で1本差をキープ。大谷は本調子ではない状態だが、感覚を取り戻して一気に波に乗ることもある。1年目や2年目も、絶不調の時期を過ぎると、本塁打を一気に量産した。蓄積疲労は否めないが、大きな故障もなく、フィジカル的には全試合に出られる状態。感覚をつかむチャンスはまだ残されている。

ホワイトソックスとの3連戦の2戦目、相手の先発は変化球投手の左腕カイケル。大谷の直近4本塁打は技巧派の左腕の変化球を捉えたもので、復調のきっかけをつかむ可能性は十分ある。日に日に激化する本塁打王争い。今季のメジャーを沸かせてきた主役が、燃えないはずがない。