ツインズ前田健太投手(33)が15日(日本時間16日)、右肘の手術後について近況を明かした。1日(同2日)にトミー・ジョン手術で右手首の腱(けん)を移植し、同時に「インターナル・ブレース」と呼ばれる人工靱帯(じんたい)で肘を強化する最新技術を取り入れた。復帰までのリハビリ期間は1年前後となる見込み。前田は手術を受けたテキサス州のダラスに滞在し、手術後2週間のこの日から軽めのトレーニングを開始。明るい表情を見せながら、現状を明かした。
-現在の心境は
リハビリもスタートして順調にスムーズに進んでいるので、復帰に向けて、まだまだ先ですけど、前向きな気持ちで日々、過ごすことができてます。3カ月後、半年後とか、リハビリが長いとしんどいなと思うことあるかもしれないし、早く投げたいっていう気持ちが出てくると思うので。しんどい時は来ると思うけど、今は前向きな気持ちで過ごすことができてます。
-手術はどんな感じだった
途中で麻酔を入れられてから終わるまで全く記憶がないので。全身麻酔は日本で1回やったことあるんですけど、アメリカの方が思ったよりもきつくて、その日、めちゃくちゃ体調悪くて、思ったよりも体への負担が大きかったというか、傷口の痛みもそうですし、体調もそうですし、全てがしんどかったので、体へのダメージがすごく強いんだなと思いました。
-リハビリ期間など、インターナル・ブレースの説明をどれほど受けたか
時期的に(復帰が)早くなるとは思わないですし、僕自身もそんなに焦って復帰するような思いを持たないように、急いで復帰して、いい結果が出た人はいないと思うので。トミー・ジョンよりも、しっかり靱帯(じんたい)を守ってくれる。リハビリ期間というよりも、復帰した後の強化が、さらに強くなるというイメージだと思います。今のところ、日本人初ということなので、それを売りにしてます(笑い)。先生にちゃんと聞いたので。日本人初めてですか? って。たぶんそうだと思うよって。
-来季、2022年に投げられる可能性は
リハビリ過程とか、進み具合でいろいろ決まってくるとは思う。もちろん投げられればベストだけど、無理をして急いで最短でも戻ろうという考えでやると失敗すると思うので、過程をしっかり進めながら、もし投げられるのであればいいなくらいの気持ちです。
-どうやって気持ちを強く保っていく
人それぞれ、リハビリ期間中は野球を見ない、野球から離れるという人もいるかもしれないけど、僕自身はできるだけ、野球から離れずに、映像とかしっかり見ながら、モチベーションを持ちながらリハビリしていきたいなと思います。
-リハビリ以外で楽しんでいることは
楽しいこと、なんだろうなぁ(笑い)。とりあえず、片手が使えないからなかなか楽しめることはないんですけど、ネットフリックス見るくらいかな。
-大変なことは
ご飯とかめちゃくちゃ大変ですね。左で食べないといけないので。シャワーも右腕がぬれてはいけないので、服を着るのも大変。ようやく少しずつ動かせるようになってきて、昨日からぬれてもいいような状態にもなりましたし、こういう生活にも慣れてきたので、少しずつですけど、ストレスは減ってきました。
-野球から離れた生活。いろんなことを考える時間が増えたと思うが、どんなことを考えたりしてる
なんも考えてないです。考えても仕方ない部分はあるので、野球のこと考えても、野球を見たりとか、そういうものは好きなので。野球を全く頭の中に入れないということはもちろんしないので、映像とか見ながら、野球から離れないようにはしてますけど、今、考えても出来ることは全くないので、できるだけ焦る気持ちは出さないように。いろいろ考えて、こうしたいああしたいと、焦る気持ちが出てきて、リハビリのペースアップにつながったりとか、良くないことが起きると思うので。自分のことに関してはそこまで考えない、リハビリの過程だったり、これをやろうということを淡々とこなしていけるような、メンタル状態でいるようにはしてます。
-新たな発見は
右腕ってすごい便利だなって(笑い)。左手1本じゃ何もできないので。1人でペットボトル開けるのも一苦労だし、何をするにしてもすごく大変なので、利き腕を使えないというのはすごい、不自由は感じましたけど、その中で左手でいろいろ、お箸使ったり、字書いてみたり、そういうこともできる良い機会だと思うので、そういうのもプラスにしながら生活できればいいかなと思ってます。
-これからに向けて
リハビリ期間が長いので、これから皆さんの前から姿を消していくと思うんですけど、忘れられないように頑張ります(笑い)。あとは、復帰したときにパワーアップできるように、しっかりリハビリを頑張っていきたいと思います。