15日に行われたオリオールズ−ヤンキース戦で、珍しい「退場劇」があった。三塁塁審のティム・ティモンズ氏が退場を命じたのは、選手でも監督でもなく、スタジアムのグラウンドクルー全員。MLB公式サイトがこの珍事を伝えている。

この試合ではヤンキースが2点を先行したものの、オリオールズがその後3点を奪って逆転に成功。その状態で9回に突入した際に“事件”は発生した。ティモンズ氏が三塁後方から歩き出すと、ダイヤモンドを横切りながら激しく人差し指を突き出し、退場を命じるしぐさを見せたのだ。

指の先にいたのは球場のグラウンドクルーたち。空模様が怪しくなってきたため、すぐに出動できるよう防水シートを準備し、その後ろや上に座って待機していた。実況者は防水シートがフィールドに少しはみ出していると指摘。処分を命じられたクルーは全員、走ってフィールドを去っていった。

公式サイトはこれを受け、1989年にエクスポズのマスコット「ヨッピー」が、ドジャースのダグアウトの屋根で寝たことに当時のドジャース監督トミー・ラソーダ氏が激怒した一件を紹介。ラソーダ氏の訴えで球審がヨッピーに退場を命じたという前代未聞の判定だ。同サイトは「われわれはマスコットですら退場処分となるのを見てきたが、この試合が行われるまで、グラウンドクルーが全員退場になるのを見た人がいただろうか」とつづっている。