【アナハイム(米カリフォルニア州)18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、本来の姿を見せた。アスレチックス戦に「3番DH」で出場し、4打数2安打で3試合連続となる安打をマーク。2本とも中堅から左方向への打撃で、マドン監督は復調の兆しを指摘した。19日(同20日午前5時7分)のアスレチックス戦はDH解除のリアル二刀流で出場予定で、ベーブ・ルース以来103年ぶりとなる「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」に挑戦。復調の兆し&1勝を本塁打王争いへのエネルギーとする。

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やっと出た。大谷がセンター左へクリーンヒットを放った。9回無死の第4打席、左腕チェフィンの真ん中高め直球を捉え、中前へライナーで運んだ。第3打席ではバットを折られながら、左前へしぶとくゴロで運んだ。本来の打撃の兆候が出たマルチ安打。マドン監督は「美しいこと。あの方向へいけば、今シーズンの最後へ向けて彼は上がってくるだろう。まさに、彼が調子が良かった時のようだった」とうなずいた。

安打の打球方向に限れば、8月17日のタイガース戦以来、約1カ月ぶりの中堅から左方向だった。本塁打のペースと打率が下がり、引っ張り傾向を指摘していたマドン監督。この日の3打席目は根元からバットが折れた力ないゴロとなったが、左方向への安打となった。泥臭い形からかすかな光が見え、続く打席のクリーンヒットにつなげた。

復調の兆しでエンジンをかけ、投手で加速させる。再挑戦する103年ぶりの偉業へ、19日に「サンデー・ショウヘイ」が復活。残り3試合に登板可能だが、1勝すれば投手での記録達成は一区切り。あくまで可能性の1つとして、残る13試合で打者に専念し、本塁打王争いへと集中できる選択肢も広がる。また、勝利を挙げた翌日の打撃成績は9試合で36打数12安打(打率3割3分3厘)6本塁打13打点と、打撃への好循環を生む傾向がある。

日本人初のタイトル獲得へ、ライバルのブルージェイズ・ゲレロ、ロイヤルズ・ペレスもノーアーチに終わった。大谷はきっかけをつかめば、一気に波に乗ることもある。マドン監督も「力強くフィニッシュし、左中間へと戻った彼の打撃を見られて良かった」。らしさを取り戻し、ラストスパートへの弾みをつけた。