エンゼルス大谷翔平投手(27)が7日(日本時間8日)、米野球専門誌「ベースボール・ダイジェスト」による選考で野手部門の最優秀選手に選ばれた。記者、キャスター、元選手や監督ら19人による投票で16人から1位票を得て合計50ポイント。2位ゲレロとは14ポイント差だった。最優秀投手(先発)はドジャースのシャーザー、最優秀救援投手にはブルワーズのヘイダーが選ばれた。全米野球記者協会のメンバーによる投票で決まるシーズンMVPは11月に発表される。

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文書で表彰選手を発表した「ベースボール・ダイジェスト」による大谷評の第1文は、二刀流としての希少性だった。「ショウヘイ・オオタニは1世紀以上も目にしなかった二刀流のパフォーマンスを見せてくれた」。同誌が選出するオリジナルのMVP選考は今年で53度目。投票者19人中、16人の1位票を獲得した大谷が文句なしのMVPとなり、初のMVP獲得へ“前哨戦”で圧勝した。

全米野球記者協会の記者投票によるシーズンMVPは11月に発表される。リーグ別に分かれているが、同誌は両リーグを含めた全体からの選出。ア・リーグのMVP候補ブルージェイズ・ゲレロに大差をつけただけでなく、ナ・リーグのMVP候補フィリーズのハーパー、ナショナルズのソトらを抑えて、圧倒的多数で1位票を得た。シーズン中には、エンゼルスのマドン監督からも太鼓判を押され、大谷のMVP獲得はほぼ当確とみられている。

同誌でMVPに選出されたのは球団ではウラディーミル・ゲレロ(04年)、マイク・トラウト(14年、19年)に次いで3人目。ともに同年のシーズンMVPに輝いている。また、同誌は3年前の18年、同様に独自の選考で新人王に大谷を選出。その後、全米野球記者協会による投票結果で大谷は新人王に選ばれた。

大谷は今季、打者で本塁打王こそ逃したものの、打率2割5分7厘、46本塁打、100打点、投手では23試合で9勝2敗、防御率3・18、投球イニング130回1/3で156奪三振と、メジャー4年目で自己ベストの結果を残した。二刀流で完走し、主役としてメジャーを盛り上げた歴史的なシーズン。MVP選出はほぼ間違いなさそうだ。

◆ベースボール・ダイジェスト誌 1942年創刊。同誌によれば世界で最も歴史がある野球専門誌。最優秀選手賞は両リーグから1人を選出するかたちで69年にスタートし、バリー・ボンズが最多3度受賞。07年ジミー・ロリンズ以降の受賞選手はすべて同年の全米野球記者協会会員によるMVPにも選ばれている。94年から投手と野手に分けて選出。新人王は72年からスタートし、大谷は18年の新人王に選ばれた。