大リーグ機構は23日(日本時間24日)、大リーグ全体のベストナインに相当する「オールMLBチーム」を発表し、「二刀流」のエンゼルス大谷翔平投手(27)が指名打者(DH)でファーストチーム、先発投手でセカンドチームに初選出された。投打での同時受賞は史上初。ファーストチームが正ベストナイン、セカンドチームが準ベストナインとなる。

大谷は今季、打者では主にDHで打率2割5分7厘、46本塁打、100打点。投手では23試合に先発して9勝2敗、防御率3・18。DHでは5人、先発投手では22人が最終候補入り。シルバースラッガー賞も受賞したDH部門でのファーストチーム入りは順当ながら、セカンドチームとはいえ、先発投手部門での選出は異例といえる。

最終候補22人中、規定投球回(162回)に満たなかったのは大谷を含め6人のみ。かつ大谷は130回1/3と最も少なかった。また、9勝も両リーグで55位、156奪三振も同42位と傑出しているわけではなかった。

さらに、11月17日(日本時間同18日)に発表されたサイ・ヤング賞(最優秀投手)でも、得票のあったア・リーグ12投手の中に、大谷の名前はなかった。11勝6敗、防御率2・69、同得票3位だったランス・リン(ホワイトソックス)はセカンドチームの5人にも選出されず。同得票がなく「オールMLBチーム」入りした先発投手は、大谷と同じくセカンドチーム入りした左腕マックス・フリード(27=ブレーブス)の2人だった。

今季の大谷は、先発登板時にDHを解除する「リアル二刀流」を解禁し、初出場したオールスターには「1番DH投手」の特別ルールでスタメン出場。1回裏の先発マウンドに立ち、勝利投手にもなった。成績を超越したインパクトがあり、異例の「投打ダブルチーム」でMLBベストナイン入りした。

ファーストチーム入りしたのは、先発投手5人、救援投手2人、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、DHは各1人、外野手3人の計16人。「セカンドチーム」も同人数で発表された。

 

◆オールMLBチーム 19年開始で今年が3回目の選出。米プロバスケットボールのNBA、米プロフットボールのNFLと同様の表彰制度を取り入れた。打撃ベストナインの「シルバースラッガー賞」がリーグ別選考なのに対し、全選手を対象に各ポジションのベスト選手を決める。最終結果はファン投票が50%、パネルメンバー(メディア、OB選手、大リーグ関係者で構成)投票が50%の配分で決定する。ファーストチームのDHは、19年の第1回はネルソン・クルーズ(ツインズ、現レイズ)、昨年はマルセロ・オスナ(ブレーブス)。