チャレンジャーの心得は、変化を楽しむ姿勢にあり-。レッズ秋山翔吾外野手(33)が、アベレージヒッターからパワーヒッターへの“大改革”に挑んでいる。静岡・下田で12日から9日間行った自主トレでは約10年間、手を加えていなかったバットの形状を変更。フォームも下半身の使い方を大きく変え、体重増にも着手した。思い切ったチャレンジには、エンゼルス大谷翔平投手(27)の姿にもヒントがあった。メジャー3年目。後がない男の心に潜入した。

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打者大谷は、日本ハム時代から右足を上げてタイミングを取っていたが、メジャー1年目の開幕直前にノーステップ打法を採用。大幅チェンジでシーズンに臨んだ。この年は右肘の故障がありながら、新人王を獲得。たとえ結果が出なくても「逆に自分が成長を実感する部分もあるかもしれない。そこを楽しんで頑張りたいなと思います」と前向きだった。

3年目のスプリングキャンプでは右足を上げる動作を再導入(シーズン中はノーステップを継続)。4年目の昨季は、二刀流での調整として、屋外でのフリー打撃を省いて練習時間を最小限にするなど調整法も変更した。「より良くなるために、いいものが自分の中で出来たら」と、常に上を目指すための変化をいとわなかった。

また投手では、1年目まで肘から上げていたテークバックを、球を持つ右手から上げる動きに変え、故障リスクを軽減するフォームに挑戦。昨季、メジャーでは自身初の「二刀流でのシーズン完走」につなげた。