投打のレジェンド2人に厳しい審判が下った。全米野球記者協会(BBWAA)による今年の米野球殿堂入りの投票結果が25日(日本時間26日)に発表され、歴代最多762本塁打を記録したバリー・ボンズ氏(57=元ジャイアンツ)と、サイ・ヤング賞を歴代最多7度受賞したロジャー・クレメンス氏(59=元ヤンキース)が落選した。ともに候補資格は今年が最終年の10年目。現役時代に使用疑惑が浮上した薬物スキャンダルの逆風により、規定得票率の75%を満たすことなく、記者投票での選出資格を喪失した。

◆薬物スキャンダル MLBは2000年代初頭、本塁打量産期を迎えた。間もなく、栄養食品会社BALCOが選手にステロイドを供給している問題が発覚。03年頃に、専属トレーナーの関与などからボンズ氏の薬物疑惑が浮上。06年にMLBが禁止薬物の調査を開始し、担当者の名前から呼ばれた調査結果「ミッチェル・リポート」は07年12月に公表された。過去にステロイドを使用した選手80人以上が名を連ね、ボンズ氏、クレメンス氏らの名前もあり球界を大きく揺るがせた。02年からステロイドなどの使用は禁止され、薬物検査も始まった。05年からは薬物規定違反の罰則が強化され、初違反で現在は80試合出場停止。