米野球殿堂入りしているレジー・ジャクソン氏が、現役時代にステロイド(筋肉増強剤)などの薬物使用歴やその疑惑があった人物も殿堂入りすべきとの見解を示した。米紙「パームビーチ・ポスト」が伝えている。

全米野球記者協会(BBWAA)による今年の米野球殿堂入り投票では、歴代最多762本塁打を記録したバリー・ボンズ氏と、サイ・ヤング賞を歴代最多7度受賞したロジャー・クレメンス氏が落選。現役時代に使用疑惑が浮上した薬物スキャンダルの逆風により、規定得票率の75%を満たすことなく、記者投票での選出資格を喪失した。

アスレチックスやヤンキースなどで通算563本塁打を放ったジャクソン氏は、ワールドシリーズで3打席連続本塁打を記録するなど10月の大舞台に強く「ミスター・オクトーバー」と呼ばれ、1993年に殿堂入り。これまで、薬物スキャンダルが取り沙汰された人物の殿堂入りには反対の立場だったが、今はその考えを変えたという。

同氏は、自分に投票権があったらボンズ氏やクレメンス氏に投票したとし「私は薬物使用、および疑惑のある者に反対の立場だったが、そういった者たちが1年目で殿堂入りしている事実がある。ダブルスタンダードがあるので私は考え方を変えた」と説明。選手によって評価軸が異なることを受け、「ボンズやクレメンスが好きじゃないからといって、彼らを殿堂入りから締め出す理由にはならない」と話した。