新労使協定をめぐる労使交渉の難航に伴うロックアウトで、シーズン開幕が延期となるなか、ジャイアンツのオースティン・スレーター外野手がメジャー人気の陰りを懸念し、皮肉めいたコメントを残した。米紙USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者がツイッターで伝えた。

メジャーではオーナー陣によるロックアウトが続き、春季キャンプもオープン戦も実施されていない。すでに開幕2カードが中止となっているが、8日中にオーナー陣と選手会が合意に至らなければ、公式戦がさらに1週間中止になるとの報道もある。

ナイチンゲール記者によると、2022年シーズンが短縮となる可能性があることから、スレーターはメジャー人気の低下を案じている様子。「野球を救うためにまたステロイド時代がやってくることになるのかな、分からないけど」と語ったという。

メジャーではサラリーキャップ導入案に選手会が反発し、1994年8月12日から1995年4月2日までストライキが行われ、ストが明けても観客動員数と視聴率が戻らなかった過去がある。だが、その低迷を救ったのがステロイドの「黙認」とも言われている。

かつてメジャーで広く使われていたとされるステロイドによって選手のパフォーマンスがアップし、本塁打の量産が野球人気復活の要因の1つになったと考えられている。スレーターは野球からファンの心が離れることを心配しており、先の発言はこうした歴史的背景を念頭に置いたものと思われる。