エンゼルス大谷翔平投手(27)が今季使用するグラブ、バットなどの野球道具が1日、アドバイザリー契約を結ぶアシックスから発表された。

一部のファンから注目を集めていたグラブのウェブ部分は、21年の外野用モデルを投手用に改良。十字部分を4本に増やし、投球時の握りが見えにくい仕様とした。

形状も小指と薬指の2本入れにも変更した。サイズも大きくし、手首をより深く入れることができる。オレンジ色の特殊皮革も採用され、耐久性が高い大谷好みの「かっちりした」グラブとなった。

バットは21年モデルから、芯の部分を手元寄りに広くした。22年モデルは「詰まり気味の打感をよくしたい」との要求に応じられた。「振った感じとスイートスポットがよりマッチしていると、誰にでも使いやすいバットになるかな。テクニックはそんなに必要なくなる」。振り抜きやすさを求め、先端部のくり抜きも深くした。

飛距離よりも操作性を重視した。重さ905グラム前後、長さ33・5インチ(約85センチ)、素材バーチは変更しなかった。状況次第では、21年型バットを継続使用する可能性も残っている。

打撃用手袋は、左手親指部分に緩衝用のクッションがつけられた。「詰まった時にしびれが慢性的になっていた。あまり(フィンガーグリップなどを)付けるのが苦手なので、そこらへんが解消されるのが一番かな」。握った感触を維持しながらの、難易度の高い変更となった。

昨季は詰まり気味でも飛距離が出せるバットを「強み」として使っている分、本塁打を放った打席でさえも、痛みを感じたことがあったという。

ホーム用の白基調のスパイクは、大谷からの要望で、履き口にチームカラーの一部でもあるイエローを差し色とし、ミッドソールやアウトソールにはシルバーを配色した。ソール部分は「球も打撃も基本的に止まっている状態から体重移動してエネルギーをつくっていくパターン。スタートの立っている位置がしっかりしていないと、その後につながらない」と、安定感を重視したフラットに立てる設計となっている。

大谷はバットの形状変更を例に「これでずっといくということはない。フィジカルは高くなっていく。それによって変えていくこともある。いろいろ変えた方が単純に面白いなって思ってて。もしかしたらずっとこれでいくかもしれないが、他のバットを試さないことはない」と言った。大谷は肉体も道具も、進化を求め続ける。【斎藤直樹】