ブルージェイズ菊池雄星投手(30)が16日(日本時間17日)、昨季まで在籍した古巣マリナーズ戦に初先発。6回1安打6奪三振無失点と好投し、今季2勝目(1敗)を挙げた。

苦楽を共にし、一緒に戦ってきた「元仲間」が相手だからこそ、気持ちを込めて腕を振った。4回までは最速97マイル(約156キロ)の速球を主体に強気に攻めて無安打。5回に二塁打と四球で1死一、二塁のピンチを背負ったものの、冷静に後続を打ち取った。続く6回も無失点に封じ、三塁を踏ませず、3-0とリードした状況で救援陣にマウンドを託した。「とにかくストレートで押していけたのが全て。毎試合、自信を深めています」。

メジャーへの扉を開けてくれたマ軍への感謝の思いは、今も変わっていない。ただプロとしてマウンドに立つ以上、余計な感傷は不要だった。19年、マ軍と4年契約を結び、太平洋を渡った。コロナ禍の影響などもあり、本来の力を発揮できず、メジャー3年目を終えた昨オフ、年俸1300万ドル(約15億円=当時)の選手オプションを行使せず、FA(フリーエージェント)になることを選択した。ブ軍と3年総額3600万ドル(約41億4000万円)で契約。マ軍への恩義や愛着を感じていた一方、先発投手としてプレーする環境と条件を最優先した末の決断だった。

開幕直後こそ、手探り状態だったものの、過去3戦は5回以上2失点以内と安定。「マリナーズでチャンスをもらい、3年間プレーさせてもらったので、この試合を本当に楽しみにしていました」。日本から米国、そしてカナダへ-。世界最高レベルで戦う以上、菊池の勝利への執念は、何ら変わっていない。

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