エンゼルス大谷翔平投手(27)が5回3分の2を5安打1四球で無失点、11三振を奪う力投で今季7勝目をマークした。

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◆大谷の投球分析

エンゼルス大谷は、同じ球種にスピード差つけ、幅広い球速帯を駆使した。この日使った球種は直球、スライダー、スプリット、カーブの4つ。直球は、今季最速タイの101マイル(162・5キロ)を出した一方で、最も遅いボールは93・2マイル(150キロ)。99マイル(159・3キロ)以上を初めてマークしたのは4回一、二塁の場面で、明らかにギアを1段上げていた。

今季最速タイを出しながら、「今季最遅タイ」もあった。3回の9番打者への初球カーブは、5月26日ブルージェイズ戦以来の71・3マイル(114・7キロ)。最高球速との差は47・8キロにもなった。カーブの中でも球速差をつけており、最速は81・7マイル(131・5キロ)。これはスライダー(128・1キロ~142・9キロ)の球速帯にもかぶる。前回登板時に相手ロイヤルズのマシーニー監督が「3種類のスライダーを投げている」と話していたが、力の入れ具合を使い分けながら、巧みに配球を組み立てているようだ。

この日、スライダーと並んで5三振を奪ったスプリットも効果的に活用。試合後の大谷の「これ1つというわけではなくて、バランス良く投げることで、いい球種が目立ってくるかなと思います」という言葉に、好投の要因が表れていた。