パドレスのダルビッシュ有投手(35)が15日(日本時間16日)、本拠地ダイヤモンドバックス戦に先発し、7回5安打3失点の力投で、今季8勝目(4敗)を挙げた。この白星でメジャー通算87勝目となり、NPBの93勝と合わせて、日米通算180勝目に到達。名球会入りの200勝が、視界に入っていた。

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2点をリードした7回2死。1番ロハスを今季最多の114球目で空振り三振に仕留めたダルビッシュは、本拠地の大歓声の中、右拳を握ってほえた。救援陣がリードを保って今季8勝目。日米通算180勝目に到達した。「大きな数字。いろんな思い出がある」。あくまでも通過点。ただ、大台の「200」を徐々にイメージできる節目の勝利の重みを実感した。

この日は「シティ・コネクト・ジャージー」を着用する一戦。ダルビッシュも初めてパステルカラーの若々しいユニホーム姿でマウンドに向かった。初回にソロ、打線が逆転した後の4回に2ランを浴びても、メンタルは落ち着き払っていた。「2ストライクからは空振りを取れるゾーンよりも、アウトが取れるゾーンに投げるようにしている」。勝負を急ぐことなく、多彩な変化球を駆使し、剛柔を交えた百戦錬磨の投球を披露。前半戦最後の登板でもあり、今季最多の114球を投げ、2点のリードを保って救援陣にマウンドを譲った。

昨季終盤、股関節痛で調子を落としたこともあり、オフ以来、現役時代のイチローにも似たストレッチを繰り返すなど、入念なケアを進めてきた。キャンプ前のロックアウト中には、マスグローブら先発陣と合同トレを行い、遠投を取り入れるなど、日米通算プロ18年目を迎えても、向上心と柔軟な思考は変わっていない。過去数年、体力的に「25~26歳よりも強い」と言い切るダルビッシュであれば、あと20勝に迫った大台は、来季中にも手が届くに違いない。

◆シティコネクトユニホーム 都市や文化と球団を結び付けるユニホームで、今季から各球団が着用している。パドレスは8日から毎週金曜日に本拠地で着用する。色使いは、サンディエゴと隣接するメキシコのバハカリフォルニア州の沿海部の風景をイメージ。白は海の波、ピンクと黄色は夕焼けを表す。