【アナハイム(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=斎藤庸裕】ベーブ・ルース以来104年ぶりの「シーズン2ケタ勝利&2ケタ本塁打」はまたも持ち越しとなった。エンゼルス大谷翔平投手(28)が、レンジャーズ戦に「1番DH兼投手」で出場し、6回8安打2失点で今季6敗目を喫した。6試合連続の2ケタ奪三振となる11三振を奪ったが、大谷は打者として先制機で凡退した自らを責めた。

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二刀流であるがゆえの敗戦の弁だった。2登板連続で打線の援護に恵まれなかった大谷は「今日に関しては2打席目。あそこで打てているか、打てていないか。どちらかというと自分の責任かなと思います」と、打者として自らを敗因に挙げた。3回1死二塁、初球カットボールを打ち損じ、二ゴロで凡退。先制点を奪えなかった。

直後の4回。流れが相手に傾きかけると、先頭の4番ローにカットボールを捉えられ、先制弾を浴びた。だが「個人的には2点目の方がいらなかったかなと思います」と反省したのは5回の失点。2死一塁から2番シーガーに真ん中のカーブを右中間へ運ばれた。「いいところにいっていれば抑えられているし、甘く入れば打たれる。失投があるのが投手ですし、失投を打つのが打者の仕事」。二刀流として、この日は甘いボールを打たれ、打てなかった。

ルース以来の偉業達成は2戦連続で足踏みとなったが、奪三振マシンの本領は発揮した。1回、いきなり無死満塁の大ピンチを迎えたが、3者連続三振で無失点。「そこから3つ三振取れているのは良かったといえば良かった。良いところあり、悪いところありの1日だったかなと思います」と手応えと反省を口にした。2回先頭まで4者連続三振。スライダーを多投し、13球連続で投げ込む徹底ぶりだった。

これで6試合連続の2ケタ奪三振。ノーラン・ライアンの球団記録まであと1試合とした。メジャーで初の2ケタ勝利にもあと1勝から足踏みが続くが「数字はついてくるもの。ただ、10勝は節目としては大事かなと。プレーヤーとしても大きなことだと思いますけど、(試合に対する)基本的な捉え方はあまり変わらない」。記録への意欲を見せつつも、いつも通りの冷静な大谷だった。

▽エンゼルス・ネビン監督代行(大谷の投球について)「素晴らしかった。彼はどうやってピッチングを組み立てていくかを理解している。初回(のピンチ)も、どう切り抜けられるか分かっていた」

▼エンゼルス打線は無得点。大谷は通算52試合目の先発だが、チームが完封負けしたのは初めて。

▼大谷が6月22日ロイヤルズ戦から6試合連続2桁奪三振。前回更新したメジャー日本人投手の記録をさらに伸ばした。2桁奪三振は今季9度目で、通算では15度目。日本人投手の2桁奪三振回数の上位は、(1)ダルビッシュ有49度(2)野茂英雄31度(3)大谷15度(4)田中将大14度。田中を抜いて単独3位となった。