ホワイトソックスのトニー・ラルーサ監督が、15日のアストロズ戦でファンに“指示”されて代走を送ったのではないかと話題になっている。同監督は否定しつつも「声は届いていたと彼に伝えてくれ」と話している。

珍事発生はホワイトソックスが2点を追う8回、2死の場面からイーロイ・ヒメネス左翼手の2点適時二塁打で同点とし、逆転のチャンスを迎えたときだった。ダグアウト付近の観客席から「ヘイ、トニー! ヘイ、トニー! エンゲルを送れ!」と、アダム・エンゲル外野手を代走に送れという”指示”が飛んだ。

すると、ラルーサ監督は球審に近づき、タイムを要請。同監督がダグアウトに戻ると入れ替わるようにエンゲルが二塁へ向かった。ホワイトソックスはその回にヨアン・モンカダ三塁手が2点適時打を放ち、逆転に成功した。

指示を出したのは筋金入りのホワイトソックスファンだというノア・ウェインステインさん。地元ラジオ局に対し、チャンスが来た場面で最前列へ移動したと話し「ラルーサはこちらをまったく見なかったが、何かが変わったのは明らか。みんなも見たとおり、彼は素早く動いた」とコメントした。

ラルーサ監督によれば、逆転のチャンスが巡ってきた際に、もともとスタッフと代走を送るべきか、ヒメネスを次の打席を考えて残すかどうか検討しており、ウェインステインさんの声には気づかなかったとのこと。それでも「彼に花を持たせてあげよう。声は届いていたと伝えてくれ」と笑顔で話していた。(AP)