アスレチックスのスティーブン・ボート捕手(37)が今季限りで現役を引退する意向を示した。

遅咲きのボートはレイズ所属時の27歳でメジャーデビューを果たすと、翌年にアスレチックスにトレードで加入。15年と16年にはオールスターに選出された。

17年途中にブルワーズに移籍。大けがを負いキャリア絶望の危機に瀕したが、手術や長いリハビリを乗り越えて19年にジャイアンツへ移ると、ダイヤモンドバックス、ブレーブスを経て、今季は4年9カ月ぶりにアスレチックスに復帰した。21日時点でメジャー10シーズンで通算786試合に出場、打率2割3分9厘、81本塁打、312打点の成績を残している。

デビュー当時、初打席から初ヒットまでに約1年3カ月を要したボート。「信じられなかったよ。あれは33打席目で、幸運なことに初ヒットを打つことができた」と回想し、「常にベストプレーヤーだったわけではない。メジャーでベストの1人にもなったし、ワーストの1人になったこともある。けがもしたし、戦力外にも2回、トレードもされたし、ノンテンダーにもなった。来年いい仕事があると分かっていた時もあるし、仕事を得るために努力しなければならない時もあった」と苦悩の10年を振り返った。

アスレチックスのボブ・メルビン監督は、ボートについて「ボーターは私がこれまで指導した中で最もインスパイアされた選手の1人。クラブハウスでは絶大な影響力があり、オークランドで愛されている。間違いなく将来は指導者の道があるだろう」と語った。(AP)