米野球界で今最も人気の投球アナリスト「ピッチングニンジャ」ことロブ・フリードマン氏が、両リーグでも屈指の成績を残した大谷の今季投球を考察した。自身のツイッターでは、今季の大谷だけでも百数十もの投球動画を投稿。その中から「最高の1球」を選び、前年までとの違いや成長ぶりなども分析した。(聞き手=水次祥子)

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【動画】ピッチングニンジャが選んだ大谷翔平の今季ナンバー1、7月6日の1球>>

-今季大谷の1球からNO・1を選ぶとしたら

フリードマン氏 (7月6日の)マーリンズ戦で投げた87マイル(約140キロ)のスライダーだ。横の変化量に目を見張った。

-一番だった球種

フリードマン氏 やはりスライダーが一番良かったし、持ち球の中で最もレベルアップした球種。最も多く投げた球種であり、空振り率は45%近くと圧倒的な数字。被打率も1割8分以下と素晴らしかった。彼のスライダーはスプリットと並んで球界でもトップクラスだと思う。

-特に成長した点

フリードマン氏 スライダーを一段上のレベルまで高めたことが大きい。全体的な制球力が向上している点も、彼をレベルアップさせている。与四球は9回平均2・39と少なく、メジャー自己ベストの数字。球数を減らして長いイニングを投げられるようになり、結果として奪三振数も上がった。

-歴代でも屈指の投手になる

フリードマン氏 持ち球の質は、間違いなくメジャー屈指のレベル。彼が長く、多くの試合で投げ続けていけば、歴代でもトップクラスの投手になる可能性を秘めている。ただし、投打の二刀流という肉体的負担を考えると、どうしても投球回が少なくなるだろうし、歴代トップ級の数字に追いつくのは並大抵ではない。どれだけ長く投げ続けられるかが大事だ。

-大谷の投稿が多い

フリードマン氏 オオタニは、好みの投手の1人なので。なぜかというと、彼の投げる球が別次元のレベルだからだ。変化量が大きく、高速。動画を見ればそのすごさが一目瞭然なので、投稿することが多くなる。ファンの多くは彼を「投球ができる打者」と見ているが、私は「打てる投手」だと思っている。