僕が日本のベストプレーヤーではない-。今年3月に行われるWBCで米国代表の主将を務めるエンゼルスのマイク・トラウト外野手(31)が20日(日本時間21日)、オンライン会見に応じ、大会への抱負を語った。

同僚の大谷翔平投手(28)とのエピソードを明かしながら「ドリーム対決」にも意欲満々。前回大会に続く連覇だけでなく、野球界全体の発展のために、全力を尽くす姿勢を明かした。

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帽子を逆さにかぶり、リラックスした表情ながらも、今回初出場となるトラウトが秘めるWBCへの思いは熱かった。米国だけでなく、ドミニカ共和国、日本など各国がメジャーリーガーを含め、これまで以上に戦力を整えて挑む今大会。注目される同僚の大谷との対戦可能性についても「昨年からお互いに話してきた」と、早い時期から意識してきた。

日米両国が順調に勝ち進んだ場合、対戦が実現するのは決勝ラウンド(マイアミ)。日本だけでなく、米国のファンからも注目されるのは間違いない。「いつも最前列で見ているが、彼はエグい球を投げる。興味深いし、楽しみ。彼は親友の1人だし、楽しいだろう」と「ドリーム対決」へ前向きな姿勢を明かした。さらに、大谷が「僕が(日本の)ベストプレーヤーではない」と話したエピソードも明かし「ショウヘイより優れた選手がいるなんて、そんなこと絶対にあり得ない。日本は準備万端だろう」と、あらためて警戒心を強めた。

トラウト自身にとって初のWBC。17年の前回大会は公式戦への準備を優先し、出場を辞退した。だが、米国が初制覇した際、歓喜に沸く選手たちの姿、球場内の雰囲気に「出場しなかったことを後悔した」と振り返った。だからこそ、今大会は主将として、MLB選手会や他の有力選手と頻繁に連絡を取り合い、リクルートする役割を果たすなど本気度は十分だった。「USAを胸につけて、国のためにプレーすることはとてもクールなことだから」と思いを口にした。

連覇を目指す米国の戦いは、3月11日の英国戦(フェニックス)からスタートする。トラウトは「ロースターを見ても、多くのすばらしい国がそろった」と気を引き締める一方で「我々がここにいる最大の理由はこれに勝つためだ」と力強くコメント。あくまでも勝負にこだわり、本気になった米国が、侍ジャパンの最大の難敵になることは言うまでもない。

◆マイク・トラウト 1991年8月7日生まれ、米ニュージャージー州出身。09年ドラフト1巡目(全体25位)でエンゼルスが指名。11年7月に19歳でデビューし、翌年ア・リーグ新人王に満票選出。12年盗塁王、14年打点王で14、16、19年MVP。球宴10度選出。昨季通算3度目の40本塁打以上を記録。19年に結んだ12年総額4億2650万ドル(約554億円)は、メジャー史上最高額契約。通算1407試合出場、打率3割3厘、350本塁打、896打点。188センチ、107キロ。右投げ右打ち。